プロが解説!観葉植物の鉢の選び方~機能編~

「鉢の選び方がわからない」というお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。観葉植物を枯らしてしまったり、お部屋の雰囲気と合わなかったりと、鉢選びの失敗は残念な結果を招いてしまいます。
そこで今回は、有名イベントのグリーンコーディネートを手がけるフラワーアーティスト前芝良紀さんに、観葉植物の鉢の選び方を伝授してもらいました!
目次
観葉植物の鉢を上手に選ぶ、2つの要素
観葉植物の鉢を選ぶ際は、”機能性”と”デザイン”の2つの要素を大切にしましょう。私たちが靴を選ぶときに足が痛くならないように体型やファッションに合ったもの選ぶのと同じで、観葉植物の鉢を選ぶ時も、植物が元気で快適に過ごせる機能性、置き場所のインテリアに合ったデザインのものを選ぶと良いですよ。
この記事では1つ目の要素”機能性”の観点から、具体的にどのような基準で植物に合った機能の鉢を選ぶのか、ご説明していきます。(2つ目の要素”デザイン”はこちらから。)
観葉植物の鉢の機能性
観葉植物の根が傷つかず、元気に育つ鉢の機能を判断するポイントは、主に3つあります。
- 鉢底穴のあり/なし
- 材質
- 鉢のサイズ
それぞれの項目についてご説明します。
① 鉢底穴のあり/なし
「鉢底穴」とは水やりの時の余分な水分を排出する役割を持つ穴。観葉植物の鉢には、鉢底穴が空いているものと、空いていないものがあります。
鉢底穴が空いていない鉢に直接植えてしまうと、余分な水が溜まったままになり根腐れを起こして枯れることもあるので気をつけましょう。鉢底穴が空いていない鉢は、「鉢カバー」として使うのが一般的。
それぞれでお手入れ方法やメリット・デメリットがあるので、楽しみ方にあった方を選びましょう。
鉢底穴がある鉢のメリット・デメリット
✓メリット 土や根にとって良い環境を保ちやすい
- 鉢底穴が空いていることで、排水性や通気性が上がる。
- 根に酸素が行き届きやすい。
✓デメリット 植え替えに手間がかかる
- 植物購入時のプラポットから鉢に植え替える必要がある。
- 植え替えのタイミングが春や秋に限られる。
- 鉢皿や植え替えグッズ(土・鉢底石・スコップ等の園芸ツール)が必要。
こんな方にオススメ!
- 植え替え作業も含めて、植物とのふれあいを楽しみたい方
- 植物を根から元気な状態で長持ちさせたい方
鉢底穴がない鉢のメリット・デメリット
✓メリット 手軽にいろんなデザインを楽しめる
- 鉢カバーとして使えば、植え替えの手間がかからない。
- 奇抜な色やデザインの鉢も、着せかえ感覚で気軽にチャレンジできる。
- 数年経って植え替えるとき、プラポットなら安価で手に入る。
- 保温効果が上がって寒さに強くなる。
- 土がこぼれにくいので室内が汚れにくく、移動も楽。
✓デメリット 水やりの度に手間がかかる
- 水やりの度に、プラポットを鉢から出す必要がある。
- ゆくゆくは植え替えが必要になるため、その際は土や園芸ツールが必要。
こんな方にオススメ!
- 色々なデザインの鉢とのコーディネートを手軽に楽しみたい方
- 植え替え時期が到来するまで鉢カバーとして活用したい方
② 鉢の材質
観葉植物の鉢には、テラコッタや陶器など様々な材質のものがあります。材質によって見た目の印象が変わるのはもちろん、通気性が変わったり、屋外に向きか室内向きなのかも変わります。育てている観葉植物の特徴や、置き場所にあった材質を選ぶことがポイントです!
観葉植物の特徴とあった鉢の材質
乾燥を好む観葉植物・・・パキラやウンベラータなどのフィカス類など
- 素焼き鉢(テラコッタ)
- モルタル
- コンクリート鉢
- 木
湿潤を好む観葉植物・・・モンステラやアンスリウムなどのサトイモ科の植物など
- プラスチック
- ガラス
- ブリキ
- 陶器
置き場所とあった鉢の材質
屋外向き・・・気温の変化に強く、強風に耐えうる重量をもつ素材
- 素焼き鉢(テラコッタ)
- モルタル・コンクリート
室内向き・・・軽くて持ち運びやすく、床や家具を傷つけない素材
- プラスチック
- 陶器
- 木
- ガラス
③鉢のサイズ
植え替える際に鉢のサイズ選びに迷ったら、観葉植物が成長して大きくなることを考えて、今使っている鉢より1サイズ上がオススメです。ただし、大きすぎると不格好になるだけではなく、根が分散して細く伸びてしまうため、地上部分が貧相になったり安定性にかけて倒れやすくなってしまうので注意しましょう。
もし今使っている鉢が何号かわからない場合は、直径を図って確認しましょう。
鉢の高さ・深さも重要!
あまり高さのない植物なら浅い鉢でもOK。
根にダメージを与えないよう、根の長さによって窮屈にならない程度の深さの鉢を選びましょう。
まとめ
今回は観葉植物の鉢の選び方について、鉢の機能性から考えてみるということをご紹介しました。鉢選びで大切にしたいもう一つの要素、デザインについての記事はこちらよりご覧いただけます。
この記事でご紹介した要素やポイントを参考に、おうちにある観葉植物やこれからご購入予定の商品に合わせて鉢を選んでみましょう!